東京大学「平成31年度第2次学力試験試験問題及び解答等の公表」についての所感

この記事は、2020年6月10日に「ドルフィン日記」に公開したものです。

東大が今年度初めて発表した学部入試の解答と出題意図について、個人的な、そして勝手な所感です。勝手な意見を勝手に述べていくので雑記という部類での投稿です。


以下のページに公開されています。(東京大ホームページ)

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04_18.html

故人・伊藤和夫先生が英文和訳演習のはしがきに記されていたことを思い出します。

「(前略)暗く息苦しい秘密主義のままに推移している大学入試の厚い壁にささやかながら穴をうがって、一陣の風と一条の光をおくりこむ(後略)」

「(前略)採点に関する実践的な議論の叩き台または出発点となり、権威主義に固められたまま何の批判の対象ともなっていない大学入試にわずかでもインパクトを与えることができれば、本書執筆の目的は果たされたこととなるであろう。」

今年公表されたのは解答といっても記号問題だけ、出題意図も数行で示されているだけ。僕が見た限りでは日本史は比較的論述内容まで踏み込んで書いていた気がします。が、正直これくらいなら、入試問題を丁寧に研究すれば見えてくるような東大の意図ばかりでした。個人的には、著作権関連の処理を終えて国語の出題意図がどのように公表されるかが楽しみでしたが、国語もすでに公開されている「高校までに学んでおいてほしいこと」と同じ程度しか書いてありませんでした。

東大に限らず、日本のトップレベル大学のほとんどは解答や出題意図を公表していません。(東北大が出題意図を昔から公表していたように思いますが・・・)受験生が受験のための対策に割く時間や労力を考えると、どうか少しでも受験生にとって参考となる資料が大学側から公表されることを願う次第です。

受験

Posted by dolphin