この時期にある受験生の疑問とそれに対する回答 その3

2021年11月18日

Q, 入試で出やすい問題とか分野は何ですか?

入試で出やすい分野は、どうしても大学によって異なります。ので、それこそ過去問演習です。また、赤本の最初の部分にある分析のページが参考になるでしょう。

今回の講座で対象となる私大について言っておくと、第1講の長々とした問題「数と式」の分野が最も出やすいです。小問集合として問われるからです。特に、無理数(√)が入った計算などは頻出です。また、過去問を見ていると「数学ⅠA」の場合は2次関数が、「数学ⅠA+Ⅱ」の場合は数学Ⅱの微積分が出やすいです。

共通テストについては、どの分野からも満遍なく出ます。ただし、各分野について言うと、

  • 2次関数については、最大値・最小値問題が
  • 三角関数については正弦定理・余弦定理が
  • 確率・場合の数については条件付き確率の問題が
  • 整数問題についてはユークリッドの互除法を用いる不定方程式の問題が

出やすいと言えます。

Q, 共通テスト数学で使える裏技とかあれば知りたいです。

色々ありますが、積分の公式などは覚えるとすぐ使えるものが多いです。ただし、使い方も合わせて覚えるようにしましょう。

簡単にここで書けるものを言っておくと、例えば「穴の形を確認する」とかいうことでしょうか。2次方程式の問題で、空欄の形を見れば因数分解するのか、それとも解の公式で頑張るのかが見えてくると思います。

Q, 数学ⅠAⅡBを解く際に数Ⅲで活かせることはありますか?

まず前提として、活かせる以前に「数学Ⅲを使って解いてはいけない」というルールはありません。考え方が思いつかなかったら思い切って微分を強行するとか、そういうことをやっても問題ありません。相手は大学の教員ですから、数学Ⅲの知識くらいはちゃんとあります(もちろん、国公立大入試の論述問題でも)。ちなみに僕が大学に入ってから最初の線形代数学の講義では、教授は当たり前にボールド表記でベクトルを書き、ベクトル積(外積)は知っているものとして講義が始まっていました(担当は理学部数理学科のかなりお偉い教授でした)。

で、間接的に使う場合ですが…例えば、数Ⅲの知識を使えば頭の中で微分くらいできるでしょう。そうすると、例えば指数・対数のグラフを考えなきゃいけないときとか、あるいは複雑な形の関数を考えるときに傾きが0の点はなんとな〜くイメージはつくのでは?そうすれば、そのグラフの概形をヒントに、多分こうだろうって解けるわけです。穴埋め型問題の入試本番なら、もうその概形などをヒントにヤマ勘で答えを埋めちゃってもいいわけです(普段の勉強では、ちゃんと見直しもやってくださいね笑笑)。

Q, 数学が難しいです。

数学は難しいです。

僕は今、こんな感じで偉そうに数学を教えています。が、受験するときには、数学は0点で合格しようと思っていました。国公立大志望であり、科目数が多かったため、数学が0点だったとしても理科と英語と国語で穴埋めが十分できたわけです。

じゃあ数学を全く対策をしなかったかというとそうではなくて、「典型的な考え方を徹底的に身につける」ことにこだわって勉強しました。特異な発想の問題は捨てるとして、フォーカスゴールドとか、チャートにあるようなレベルの問題は見た瞬間に解けるようにしたわけです。そうすることで、(4)までのうち(2)まではなんとか解きました。また、センター試験も(僕の時代はセンター試験でした)それなりの点数は確保してきました。

数学の天才は天才です。彼らには絶対に追いつけません(大学に入ってさらに、つくづくと感じています)。ですから、得意になろうというよりは、「勉強すれば解ける問題は絶対に落とさない」の姿勢でやるといいと思います。

Q, 公募があと少しであるのに、過去問を解くとできません。簡単なはずなのにできなくて焦っています。

あるあるです。まず、焦らないでください。そして、落ち着いて過去問の形式・できない理由を分析しましょう。

ですが、まあ焦りますよね。焦るのは仕方ないので、解けなかった原因を分析しましょう。

  • 最初の1手が分からないなら、チャートの問題をもう一度洗い直してみる
  • 使うツール(分野)が違うなら、網羅型の問題集の総まとめの部分をやってみる
  • 計算ミスをするなら、どういうところで計算ミスをするか分析する

という感じです。

具体的に僕は、

  • A,どうして解けなかったか
  • B,どのようにしたら解けるか
  • C,この問題から何を学んだのか

をノートに1行づつ程度で書き留めていました。こうすることで、自分の弱点や改善点が客観的に把握できると思います。

Q, 先生が書く解答と同じなのに。方法が違ったりとても長く、めんどくさい方法をしていることが多いです。

それなりに勉強をしている受験生に多いですね。

おそらく、問題を見て「これを使えば解けそう」と思って飛びついているのでは?全く勉強をしていないと飛びつくことすらできません。

そこで対策として、問題を解くときに飛びつく癖をなくしてみてはどうでしょう?つまり、問題を読んで問題の中身を理解した後に、一旦立ち止まって一歩引いて問題を見るのです。そうすると「あれ?こっちの考え方でもできるな」「いや、あの考え方も使えるぞ」という感じで、いろいろな考え方がることが見えてくると思います。その中から最も簡単な考え方を使うのです。

「一旦立ち止まる」というのは簡単にはできません。特に勉強をそれなりにしている受験生だからこそ、考え方が少なくとも1つは思いつくから飛びつきたくなるのです(繰り返しになりますが、勉強していない受験生だったら飛びつくこともできません)。普段、問題演習をするときから、3秒立ち止まってみるとか、そういった癖をつけておくといいでしょう。

Q, 口頭試問をどうやって対策したらいいのかわからない。

口頭試問に関しては、「面接」ではなく「口頭試問」と言われている以上、筆記試験に近いような中身も聞かれることになります。ただし、筆記試験ではないため、そこまで難しい中身は聞かれないものと思います。

したがって、対策するべき内容は、原則として中身についてはこちらで紹介した「基礎学力調査」の対策に近いものになると思います。基礎学力調査で聞かれるような基礎的な内容を学習しておきましょう。

その上で「喋れるようになる」ためには相応の練習が必要です。今は僕もこうやって講義をやっていますが、大学1年生の頃はちょっと話すだけでもガタガタ震えていました。慣れないと、緊張するような場面で話すのは本当にしんどいです。したがって、学力的な対策というよりは「話す」ことの対策にウェイトをおきましょう。面接対策などは学校でしてもらえる場合が多いと思いますし、文理でもできます。文理でやりたい人は受付で相談してみてください。

Q, 太郎さんと花子さんで解き方が違う時、両方の解き方ができない時がある(教育学部数学科志望)。

まず、普通の受験生としての対策から。

受験対策、という意味であればどちらか一方ができればOKです。そして、自分が思いつかない方の解答は問題文をよく読んでください。2通りの解き方をさせる以上、誘導がなければ2通りの解答の作り方はできないため、問題文でしっかり誘導があるはずです。そして、しっかり読み解いていけば実は、必要な知識・考え方はごくごく当たり前な公式・定理だけだったりします。ということで「問題文を読み解く」ことに慣れましょう。共通テスト形式の練習を今のうちからガンガンやるのはちょっと早いですから、今はやるならセンター試験の過去問などで間に合うと思います。

Q, 何時間寝ても眠いです。どうしたらいいですか?

大学生として、超長時間の睡眠時間をとった経験から言うと、長すぎると逆に浅い眠りになります。さらに、次の夜には寝られなくなり夜更かし、そして翌朝遅くまで寝ているという、負のスパイラルに陥ります。

したがって、睡眠時間は「長すぎず」取ることが重要です。まあ、それ以上に勉強をしようと思ったら超長時間の睡眠は取れませんが。

あと、最近知ったのは、「決まった時間になったら布団に入って寝るモードにする」というのはダメらしいです。無理くり自分を寝かすために焦りが生じてしまうらしい。ので、眠くなるまでひたすら勉強の耐久レースをすればいいでしょう。勉強しすぎて頭が疲れて、眠さを我慢して英単語を覚えて限界を超えてから布団に入って一瞬で寝ましょう。いい睡眠になると思います。ちなみに僕は受験生の頃、特に直前期は1日の睡眠時間が2時間半であり、良い睡眠など考えませんでした。三度の飯より勉強、であり、1日2時間半しか寝てないので疲れを取るためにかなり深い睡眠になっていたと思います。

受験

Posted by dolphin