2021年度共通テスト化学基礎(第1日程)第2問 問題
必要があれば,原子量は次の値を使うこと。
H 1.0 C 12 O 16 Cl 35.5 Ca 40
第2問 陽イオン交換樹脂を用いた実験に関する次の問い(問1・問2)に答えよ。 (配点 20)
問1 電解質の水溶液中の陽イオンを水素イオンH+に交換するはたらきをもつ合成樹脂を,水素イオン型陽イオン交換樹脂という。
塩化ナトリウム NaCl の水溶液を例にとって,この陽イオン交換樹脂の使い方を図1に示す。粒状の陽イオン交換樹脂を詰めたガラス管にNaCl 水溶液を通すと,陰イオンCI–は交換されず,陽イオンNa+は水素イオンH+に交換され,HCI水溶液(塩酸)が出てくる。一般に,交換される陽イオンと水素イオンの物質量の関係は,次のように表される。
(陽イオンの価数) ×(陽イオンの物質量) = (水素イオンの物質量)

次の問い(a・b)に答えよ。
a NaCl は正塩に分類される。正塩でないものを,次の0~4のうちから一つ選べ。
① CuSO4
② Na2SO4
③ NaHSO4
④ NH4Cl
b 同じモル濃度,同じ体積の水溶液ア~エをそれぞれ,陽イオン交換樹脂に通し,陽イオンがすべて水素イオンに交換された水溶液を得た。得られた水溶液中の水素イオンの物質量が最も大きいものはア~エのどれか。最も適当なものを,次の①~④のうちから一つ選べ。
ア KCI 水溶液
イ NaOH水溶液
ウ MgCl2水溶液
エ CH3COONa水溶液
① ア
② イ
③ ウ
④ エ
問2 塩化カルシウムCaCl2には吸湿性がある。実験室に放置された塩化カルシウムの試料 A 11.5gに含まれる水H2Oの質量を求めるため,陽イオン交換樹脂を用いて次の実験I ~IIを行った。この実験に関する下の問い(a ~c)に答えよ。
実験I 試料 A 11.5 gを50.0 mLの水に溶かし, (a)CaCl2水溶液とした。この水溶液を陽イオン交換樹脂を詰めたガラス管に通し,さらに約100mLの純水で十分に洗い流してCa2+ がすべて H+に交換された塩酸を得た。
実験Ⅱ (b)実験Iで得られた塩酸を希釈して500 mLにした。
実験Ⅲ 実験Ⅱの希釈溶液をホールピペットで 10.0 mL とり, コニカルビーカーに移して,指示薬を加えたのち, 0.100 mol/L の水酸化ナトリウム NaOH水溶液で中和滴定した。中和点に達するまでに滴下した NaOH水溶液の体積は40.0 mLであった。
a 下線部(a)の CaCl2水溶液のpH と最も近い pH の値をもつ水溶液を, 次の①~④のうちから一つ選べ。ただし,混合する酸および塩基の水溶液はすべて,濃度が 0.100 mol/L,体積は 10.0 mL とする。
① 希硫酸と水酸化カリウム水溶液を混合した水溶液
② 塩酸と水酸化カリウム水溶液を混合した水溶液
③ 塩酸とアンモニア水を混合した水溶液
④ 塩酸と水酸化バリウム水溶液を混合した水溶液
b 下線部(b)に用いた器具と操作に関する記述として最も適当なものを、次の⓪~④のうちから一つ選べ。
① 得られた塩酸をビーカーで 50.0 mL はかりとり,そこに水を加えて500 mL にする。
② 得られた塩酸をすべてメスフラスコに移し,水を加えて 500 mLにする。
③ 得られた塩酸をホールピペットで 50.0 mL とり, メスシリンダーに移し,水を加えて 500 mLにする。
④ 得られた塩酸をすべてメスシリンダーに移し,水を加えて 500 mL にする。
c 実験 I~Ⅱの結果より,試料A 11.5 gに含まれるH2Oの質量は何gか。最も適当な数値を,次の1~4のうちから一つ選べ。ただし,CaCl2の式量 は 111 とする。
① 0.4
② 1.5
③ 2.5
④ 2.6
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